|Posted:2014/05/09 02:35|Category :
ふみ-FCE|
線維軟骨塞栓症(FCE)という聞き慣れない病名がふみに付けられました。脊椎(いわゆる背骨)の一つ一つの骨と骨の間にあるのが「椎間板」と呼ばれる軟骨で、その椎間板の表面部分に当たる少し硬くて弾力のある部位が「線維軟骨 Fibrocartilage」です。この線維軟骨が砕けて、脊椎の脇に沿って走る神経=脊髄に伴う血管を詰まらせる(塞栓症 Embolism)のが、線維軟骨塞栓症(FCE)です。「脊髄梗塞」と呼ばれることもあります。
脳の血管が詰まるのが「脳梗塞」で、これはよく耳にします。脳梗塞とは、詰まる物質も場所も違いますが、脊髄梗塞=線維軟骨塞栓症で具体的に起こる症状は脳梗塞と少し似ています。それは、体のある部分が麻痺を起こすこと。FCEでは、詰まった部分より下にある手足(しばしば片側)に麻痺が起こります。
FCEについて、より詳しく説明されているサイトは、こちら(犬の脊髄梗塞 線維軟骨塞栓症 | 症状 原因 検査法 治療法 リハビリ方法 予後 好発犬種 | ワンホイール)やこちら(線維軟骨塞栓症...いわゆる脊髄梗塞: 院長日記: 愛甲石田動物病院)など。後者のページに少し書かれていますが、犬(特にミニチュアシュナウザーやジャーマンシェパード、アイリッシュウルフハウンドなど)に多く見られ、ねこでは稀だとされます。
これを書いている2014年5月9日現在、ふみの右後ろ足はほぼ完全に麻痺しています。自分で自由に動かすことはおろか、さわられても感覚はありません。麻痺していますので痛みもそれほど感じていないようですが、実質3本足になるのでからだのバランスはうまく取れず、よろよろとしか動けませんし、ふんばることもできないので、もう60時間以上うんちも出ていない状況です(ふみの通常の排便回数は1日1~2回)。食べている量も少ないので、あるいはもうそろそろ溜まって自力で出る頃かもしれませんし、逆に、麻痺の影響で自分では出せなくなっている可能性もゼロではありません。おしっこは出ていて、最初に出たときは本当に心底ほっとしました(圧迫排尿になることも覚悟していたので)。
ふみは、自分でも「なんだか足がおかしいらしい」ということはわかっているようで、一生懸命バランスの取り方を工夫していて、時々はまっすぐ立てるようにまでは回復してきましたし、そのまま3~4歩歩けることもあったりします。このまま回復してくれればよいですが、今の段階では、いつ頃どうなるのか(よくなるにせよ、悪くなるにせよ、あるいは不自由なりに落ち着くにせよ)はわからない状況です。

麻痺を起こしてから数時間経ったふみのようすです。右足がだらりとしているのがわかると思いますが、自分ではこの状態から足を動かすことも曲げることもできません。体の向きを変えたりするときには、だらりと伸びた状態のままどうにかこうにか右足の収まり場所も変わる感じで、変にひねったり折れたりしないかハラハラします(が、どうにかだいじょうぶではあるようです)。
なんでこんなことになってしまったのか、そしてFCEという診断が下されるまでにどのように動物病院の先生方に処置していただいたのか、少しずつまとめておこうと思います。
- 関連記事
-
テーマ : ペットの健康・病気・怪我
ジャンル : ペット