
黒ごま
しつこくごまの話ですみません。川口一惠さんからいただいたコメントから、ふみの黒ごまの正体がなんとなくわかってきたので記事にしておきます。
ねこの肛門腺(肛門嚢)は、肛門のすぐ脇にあります(川口一惠さんの表現をお借りすると「8時20分の位置に黒い点々として2つ」)。肛門腺から出る分泌物は、うんちのときに肛門括約筋が働くことでうんちと一緒に出てきます。しっかりと固いうんちを出すねこ(カンナがそうです)の場合は、括約筋もしっかり働くので、肛門腺の分泌物もきれいさっぱり出てきます。これが健康な状態です。
なんらかの事情でうんちが軟らかい場合、またうんちの量が少ない場合(子猫やメスねこ)は、括約筋があまり働かなくてもうんちが出てきますので、分泌物の排出が不十分になります。
ふみの場合、条虫がいたことでうんちがゆるくなっていました(いちおう形は保つけれど、ふみが踏むとつぶれる固さ、たとえていうと溶けかけの生チョコぐらい)。さらに(ゆるいせいもあると思いますが)うんちの回数も1日2回でしたので、うんちの量も少なかったことになります。このため、分泌物が十分に排出されず、肛門腺にいつも溜まった状態だったようです。
なお、この状態が長く続くと肛門腺が詰まって炎症を起こしたり(肛門嚢炎[こうもんのうえん])、さらに悪化すれば細菌感染を起こして化膿したりします(肛門嚢膿瘍[こうもんのうのうよう])。後者の場合、入院&手術になるケースもあるようですね。また、こちらのページによると、詰まりやすくなる原因としては、肥満・下痢・寒さ・加齢による運動不足が上げられています。
分泌物は排便時のほか、なにか興奮したとき・恐怖を感じたときなどにも分泌されます。ふみはカンナに比べておしりのニオイが気になる子だなあ(特に、遊びがエスカレートして興奮したときや、爪など切ろうとつかまえられて逃げようとするときなど)と思っていたのですが、もともと溜まりやすい分泌物がちょっとしたきっかけで外に出てきて、それがニオイのもとになったようです。
そして、外に出てきた分泌物がおしりの周りで乾燥してできたのが「黒ごま」の正体だったのではないかと考えています。もう少し正確に描写すると、黒ごまを摺ったときのごまの皮みたいな感じのものが肛門腺からちょろんとはみ出ている、という感じだったのですが、うまく伝わるでしょうか。(なお、分泌物のようすは、ねこによってさらさらだったりどろっとしてたり、個体差があるようですので、「黒ごまの皮」にならないケースもあるかと思います。)
※あと、これはさるねこ父が勝手に混同していたことですけど付け加えておくと、オスねこがよくやるというスプレー(尿スプレー)と肛門腺分泌物とは別物です。
駆虫剤投与で条虫がいなくなった(と思われる)ふみは、目に見えてうんちが固く健康になってきました(たとえていうと、冷蔵庫から出したばかりのチョコレートトリュフぐらい=ころころ転がります)。うんちの頻度も1日1回強まで下がり、1回のうんちの量は増えてきました。肛門腺からの分泌物の排出条件もよくなったと推測されます。
そのため、おしりの周りに黒ごまの皮が付いていることもほぼなくなりました。興奮したときの分泌物のニオイは……どうだろう? ここ数日さるねこ父が鼻風邪を引いているのであんまり違いがわかりません。
ふ:(……ふみのおちりの話はもうけっこうでしゅ。)
父:すんませんね。
