
M町の地域ねこ現場より
- ■6月9日 16:32 Nさん→さるねこ父宛てメール
- お疲れ様です。また捨てられました。今度の子は二匹で多分白猫ちゃんと白黒猫ちゃんです。目が開いて間もない位です。かなり状態が悪く、目やにで目が開かずかなり拭いてあげました。毛もボロボロです。とてもかわいそうです。でも、これ以上家に連れて帰る事も出来ません。とても心苦しいです。
- □6月9日 17:35 さるねこ父→Nさんに電話
- 状況確認。建物と建物のすきま部分に押し込むようにして遺棄。鳴き声に気づくも、人間が入り込めないすきまであるため、レスキュー難航、なんとか2匹を保護する。健康状態は悪く、固形物・流動物は受け付けない。Sさんが、子ねこ用のミルクをシリンジで少しずつ与えるが、白猫の方はほとんど飲み込めない状態で、ほんの少し口の周りを湿らすようにして時間をかけて授乳。ノミだらけで、たんぽぽちゃん・ひのきくんを保護しているNさん宅に連れ帰ることは断念。現場の事務所内で保護することとする。週明けまでもつかどうか、難しい。
- ■6月11日 21:13 Nさん→さるねこ父宛てメール
- 捨て猫二匹は、頑張って生きてます。白ちゃんが女の子で、白黒ちゃんが男の子でした。
- ■6月12日 13:58 Nさん→さるねこ父宛てメール
- すみません。ちょっと質問なんですが、ペティオのノミ、ダニスプレーというのを以前格安で購入してたのですが、それを今回のチビちゃん達にスプレーしても大丈夫でしょうか?あまりにもノミだらけでかわいそうなので。
- □6月12日 14:19 さるねこ父→Nさん宛てメール
- あんまり効かないと思いますが、していけないことはないと思います。ほんとはレボリューションかフロントラインですけどね……1500円くらいしましたよね(。-_-。)
- □6月12日 14:24 さるねこ父→Nさん宛てメール
- こんなページも参考になると思います。ケータイで見られるかは?です。
- http://www.nekohon.jp/zy-idea-hogo-nomi.htm
- http://www.nekohon.jp/zy-idea-hogo-nomi.htm
- ■6月12日 14:40 Nさん→さるねこ父宛てメール
- アドバイスありがとうございました。ノミの駆除携帯で見れました。とりあえず、ノミ取り櫛で取ってみます。白ちゃんの方がかなり弱ってるので…
- □6月12日 14:50 さるねこ父→Nさん宛てメール
- とりあえずそうですね。あと、とらきちさんがフロントラインのスプレーをお持ちのはずです。いっときそれで緩和できるかもしれません。訊いてみますね。
- ■6月12日 14:52 Nさん→さるねこ父宛てメール
- 忙しいのにすみません。よろしくお願いします。
- □6月13日 03:33 Nさん宛てに届くようにフロントラインスプレー250mlをAmazonで注文
- ■6月13日 15:58 Nさん→さるねこ父宛てメール
- こんにちは。お疲れ様です。写真は少し見やすくなったひいらぎ君です。何とかミルクを飲んで頑張ってます。白ちゃん(つゆちゃん)は残念ながら先程亡くなってしまいました。助けてあげられませんでした。
- □6月13日 16:07 さるねこ父→Nさん宛てメール
- いつもお疲れさまです。しろちゃん、持ちませんでしたか……。また紹介記事を書いておきます。つゆちゃんの分も。
- ■6月13日 18:53 Nさん→さるねこ父宛てメール
- いつもありがとうございます。あまりにもかわいそうな状態なので写真も撮ってあげられませんでした。申し訳ないです。でも、つゆちゃん頑張って生きてました。
- □6月13日 19:03 さるねこ父→Nさん宛てメール
- つゆちゃん、今度は最初から優しい人のところへおいでね。
- □6月14日 15:34 Amazon→さるねこ父宛て出荷連絡メール
- 本日ご注文商品をヤマト運輸で発送いたしましたのでご連絡申し上げます。
ひいらぎくん(シロクロ)、つゆちゃん(シロ)は、おそらくノラの母ねこが産んで母ねことはぐれた子(もしかすると、母ねこが育たないと判断して育児放棄した子)でしょう。母ねこと引き離された状態の子ねこは、急速に健康状態が悪化します。弱い子はその段階で亡くなりますが、ある程度生命力がある子は、必死に鳴き声を上げて母ねこを探します。
その鳴き声に気づいた人がどんな人かによって、子ねこの生死は決まります。残念ながら、ひいらぎくん・つゆちゃんの鳴き声に最初に気づいた人は、十分に優しい人ではなかった。必死で泣くひいらぎくん・つゆちゃんを持てあましたその人は、おそらく何日か経ってどうしようもなくなり、目の前で子ねこに死んでほしくなくて、とにかく目の前から子ねこがいなくなってほしくて、Nさんのところに捨てに来た。そんなふうに想像しています。
本当に冷たい人なら、子ねこが鳴こうがわめこうが無視するでしょう。気にしながら、気にしながら、でもどうしようもなくて、「あそこはねこの世話をしている人のおるけん、なんとかなる」と聞いたことのある場所に捨てた。もしかしたら、助けてもらえるかなあ、と。自分では助けられないけれども、でも自分のせいで死なせるのはいやだから、そうした。捨てながら、「でも、わたしは殺したわけではない、わたしはできるだけのことをした、たぶんあの子たちは助かるはず、助かるはず」と唱えながら家に帰った。
冷たい人ではないのでしょう。優しい人なのかもしれない。でもその優しさは、身勝手な優しさです。他人の善意にすがっているだけです。
すがられたNさんとSさんは必死に助けようとしましたが、母ねこから離されて時間の経ってしまった子ねこは、動物病院に預けても助けるのは難しいのが普通です。最期を看取るつらい役目をNさんとSさんはまた味わいました。
だれに責任があるのでしょうか。確かに捨てた人には責任がある。でもそれだけではなく、ひいらぎくんとつゆちゃんを産んだ母ねこを、きちんと避妊させていなかった誰かにも責任はある。ひいらぎくんとつゆちゃんのお父さん=去勢していないオスを放置していた誰かにも責任はある。父ねこも母ねこもノラなのだったら、その親、またその親を放置していた誰かに責任がある。
「誰か」を特定することが重要なのではない、とさるねこ父は思います。「そういう風潮の社会」に問題があるのであって、「社会全体の意識を変えること」が重要なのだと思います。わたしたちみんなに、責任がある。
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