
『キャット・アート:名画に描かれた猫』
本物も来てますが(マウリッツハイス美術館展=6/30~9/17東京都美術館・9/29~1/6神戸市立美術館)。
- キャット・アート:名画に描かれた猫
- 著者:シュー・ヤマモト
- 発行:求龍堂(2012年4月)
- ISBN:978-4-7630-1217-3 / 2,200円+税
- 発行:求龍堂(2012年4月)
……ええ、ジャケ買いですが、何か。
シュー・ヤマモトは1948年横浜生まれのイラストレーターで、74年にカナダに移住、81年カナダ国籍取得とともに日本国籍離脱。83年にアメリカ永住権(いわゆるグリーン・カード)を取得してアメリカに移住、というちょっとおもしろい経歴の持ち主です。ちなみに、日本国籍の離脱とは、二重国籍を認めない日本の国籍法に対して「そんなら、日本国籍なんかいらないやい!」と三行半を法務省にたたきつけることで、今でも年間150~200人くらいしかいません(→cf. 法務省統計)。30年前ならもっと少なかったはず。
で、この本は、シュー・ヤマモトさんが古今東西の名画を、ねこを絡めて、パロディにした作品集です。上の表紙は、ヨハネス=フェルメールの「真珠の耳飾りの少女(別名・青いターバンの少女)」ですね。裏表紙はこんな感じです。
上から、エドワルド=ムンクの「叫び」、ロイ=リキテンシュタインの「メイビー」、グスタフ=クリムトの「接吻」になります。こんな感じで、ラスコーの洞窟壁画(クロマニョン人が狩りの成功を祈って描いたというやつ)からルネ=マグリットの「人の子(自画像)」まで124点+おまけ1点のパロディが集められています(浮世絵の歌川国芳も2点入ってます)。一つ一つを眺めれば、細部までものすごく手が込んでいるとか、じっと眺めているとわかるひとだけわかるひねりとかがあるわけではないのですが、なんせこの数です。そうですね、たとえて言うなら「中学校の美術の教科書の絵を、全部自分一人で描いてみましたよ」ってとこでしょうか。壮大なバカエネルギーがここには惜しげもなく投入されています。
さるねこ父の個人的オススメはジャクソン=ポロックの「No.8」とピエト=モンドリアンの「赤黄青のコンポジション」のパロディ。元ネタはこれです。ねこ、出てきません。どうやってこれをねこのパロディに持っていくのか、知りたいひとは、ぜひ本を手にとってみてください。
No.8 / Jackson Pollock (from AllPosters.co.jp)
Composition with Red, Blue, Yellow / Piet Mondrian (from AllPosters.co.jp)
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