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動物愛護法改正は大詰めへ

なんか新聞の見出しみたいですが、昨日から今日にかけてあちこちのブログや Twitter で情報が流れていました。民主・自民・公明・生活の4党の実務者レベルでの協議の末に合意された法律案が、昨日21日に自民党環境部会で、今日22日に民主党環境部門会議動物愛護対策WTで、それぞれ了承されたことで、メディアでも報道されました。

 

 

メディアの報道はいわゆる8週齢規制の部分に集中していますし、またその内容が「看板に偽りあり」――法文上は「56日を経過しないもの」の展示・引渡を禁止しているにもかかわらず、最初の3年間は移行期間として「56日」を「45日」と読み替え、その後「49日」と読み替える、という「何が起こったのかよくわからないけど、結局元のままかよ!」って感じでもあるので、動物愛護運動家の間では、一部失望感も広がっているようです。

 

確かに8週齢規制の部分については、それは前回2005年の改正時に既に通るはずだったのが、当時募集されたパブコメで業界団体にひっくり返されてしまったという経緯がありました。昨年夏のパブコメでは、動物愛護運動側と業界団体側がガチでぶつかり、捲土重来とばかりにパブコメ送付を呼びかけ、組織票を送った動物愛護側が数の上では上回った結果、今回の改正でもそこが焦点になっているきらいはあります。そして、数の上では上回ったのに結局業界の言い分がかなりのところ通ってしまった、と憤るのもわからないのではないけれど……さるねこ父はなんだか違和感があります。

 

「8週齢規制は、子犬や子猫の社会化のためには必須の最低条件」というのはよくわかります。と同時に「でもそれさえ満たされれば、日本の動物を取り巻く状況はよくなるわけ?」と考えてみると、そこは単なる入口に過ぎない、と思うのです。犬や猫が飼い主の手元にわたる「前」の環境条件をどんなに整えても、飼い主の手元に渡った「後」が悪かったら、元も子もない。犬や猫の一生を考えれば、「前」より「後」の方がはるかに長いのだから、「後」の部分の環境条件をもっともっと良くする方に力を入れるのが重要なんじゃないか?

 

そう考えながら、今回の改正案をみていくと、実はそういった点についてもけっこう目配りはされている、ということがわかります。決してそんな悪いもんじゃない。100点満点ではもちろんないけれど(動物実験については、結局シカトってことになっていますし――ちょびっとだけ望みはありますが)、赤点とるほどひどくはない。トータルでみれば、さるねこ父は、ちゃんと前進していると思います。興味のある方は、上で紹介したリンクの2つめにある PDF を丹念に読んでみて下さい。もっと興味を持たれた方は、3つめにある PDF を細かくチェックしていくと、もっとよくわかります。

「自分で読むのは大変だから、説明して?」という方……しばらくお待ち下さい。そのうち記事を書いてみようと思います。

 

なお、今回は「法律案」が与野党の部会で了承された、いわば「水面下ですりあわせが終わった」状態です。国会は、なんだかんだで予断を許さない状況ですが、どうにか滞りなく進めば(≒突然野田総理が内閣総辞職とか衆議院解散とか言い出さなければ)9月8日の国会会期末までには、法案は成立するだろう、という見通しです。

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