
ながさきの離島:池島(池島に渡るには)
長崎県は、全国一の離島県です。日本で最大の島は言うまでもなく本州(本州島)ですが、そこからどんどん小さい島を数え上げていって、周囲100m以上の島(≒岩と呼ぶには大きすぎるもの)がいくつあるのか、かつて(1988年9月)海上保安庁が調べたことがあります。その結果は6,852。で、そのうち約7分の1の971島が長崎県にあります。2位の鹿児島県は605島ですので、ぶっちぎりです。その後もう20年以上が経過し、いくつかの島は、埋め立てで本土と完全に地続きになったケースもあると思いますが、長崎県が全国一の離島県であることは、おそらく今後とも変わらないでしょう。
長崎県は「ながさきの[しま]」というサイトを開設して、この長崎の離島についての広報を行なっています。こちらの資料によると、2009年10月現在で、面積1,000平方メートル以上の島は594、そのうち521は無人島、残る73の有人島のうち、県本土と橋でつながっている=離島とは呼べない島が20、差し引き53島が長崎県で「船に乗らないとたどり着かない有人島」ということになります(その後、2011年3月に伊王島が橋でつながったので、伊王島・沖之島をのぞいて51島)。53島をこちらの地図からリストにしてみます。
- 対馬島地域(6島)
- 対馬島、海栗島、泊島、赤島、沖ノ島、島山島(対馬市)
- 壱岐島地域(5島)
- 壱岐島、若宮島、原島、長島、大島(壱岐市)
- 平戸諸島地域(17島)
- 黒島、青島、飛島、大島(平戸市)、度島、高島(平戸市)、宇久島、寺島、六島、野崎島、納島、小値賀島、黒島(小値賀町)、大島(小値賀町)、斑島、高島(佐世保市)、黒島(佐世保市)
- 五島列島地域(18島)
- 中通島、頭ヶ島、若松島、日島、有福島、漁生浦島、奈留島、前島、久賀島、蕨小島、椛島、福江島、赤島、黄島、黒島(五島市)、島山島(五島市)、嵯峨島
- 蠣浦大島地域(2島)
- 江島、平島
- 松島地域(2島)
- 松島、池島
- 伊王島地域(2島)
- 伊王島、沖之島
- 高島地域
- 高島(長崎市)
入力していて「島」という字がだんだんゲシュタルト崩壊を起こしそうになりましたが、こうやってリストにしてみると、なんとなくスタンプラリーみたいに全部回ってみたくもなります。さるねこ父が行ったことあるのは、壱岐の壱岐島・長島・大島、五島の中通島・若松島・福江島、松島地域の池島、伊王島地域の伊王島・沖之島で、全部で9つですね(伊王島・沖之島は2002年に船で渡っています)。
さて、池島については、もうずいぶん前に、島のねこのことで記事を書いています。このねこたちのその後を見に、お正月気分が抜けきらない1月6日にとらきちさん・bangさん夫妻と一緒に池島に渡っていますが、その記事はこの次に回して、ここでは「池島に渡るには」というのを書いておこうと思います。
池島に渡るには
池島(地図はここ)に渡るための船は、本土側からは3箇所から出ています。基本は、神浦港(地図はここ)と瀬戸港(地図はここ)の2港で、神浦港はかつて池島が長崎市に合併する前に所属していた外海町の役場があった中心地、瀬戸港は現在の西海市(旧大瀬戸町)の中心地になります。長崎市市街から神浦までは33km(車で1時間弱)、瀬戸(大瀬戸)までは43km(車で1時間強)。もし公共の交通機関を使うなら、どちらも、長崎新地バスターミナルから直行または桜の里TM乗換で「板の浦」行きに乗ります(だいたい1時間に1本)。神浦港の最寄バス停は「外海行政センター前」(新地からだいたい1時間半)、瀬戸港の最寄バス停は「NTT大瀬戸」(新地からだいたい2時間)となります。
佐世保側からは、市街地からパールライン経由で西彼杵半島を横断するルートで、瀬戸港までが41km(車で1時間強)、神浦港までが51km(車で1時間半弱)。公共交通機関は、すべて西海橋で乗り継ぎになるようで、かなり不便なようです。
神浦~池島
神浦港から出る船は池島行きのみです。車が乗れるフェリーは1日1往復(西海沿岸商船=TEL: 0959-22-0649=大瀬戸営業所、TEL: 0956-24-1004=佐世保本社)で神浦→池島が13:46発、池島→神浦が13:17発です……つまり、池島から神浦へ往復して池島に戻るダイヤですから、本土側からはあまり意味がありません(帰りの手段としては使えますが)。
神浦港からの高速船(車は乗れない)は、西海沿岸商船のれぴーどが1日1往復(西海沿岸商船=TEL: 0959-22-0649=大瀬戸営業所、TEL: 0956-24-1004=佐世保本社)で神浦→池島が15:58発、池島→神浦が15:47発です。やっぱり池島から神浦へ往復して池島に戻るダイヤになります。
神浦港から出る船のメインは、長崎市の交通船(たぶん委託船だと思います)である進栄丸(TEL: 0959-24-0211=外海行政センター、TEL: 090-4513-4983=船主)で、神浦→池島は6:45、7:30、10:30、16:25、17:15発、池島→神浦は7:05、8:15、10:50、16:45、17:35発となります。神浦から池島を5往復するダイヤです。そして大事なことですが、進栄丸は第2・4・5日曜日は休航です。また、3トンほどの小さな船ですので、波が高いと欠航になります。
料金ですが、西海沿岸商船フェリーは大人400円・子供200円、同高速船は大人550円・子供350円、進栄丸は大人350円・子供150円です。フェリーに車を乗せた場合は、車の大きさで料金が変わるので、西海沿岸商船に問い合わせが必要です。なお、車での乗船時には車検証が必要ですので、あらかじめ準備しておきましょう。
瀬戸(大瀬戸)~池島
瀬戸港からは、いろんな船がいろんなところへ出ています。行き先・船会社によって乗船場所もけっこう離れています。瀬戸港から池島へ行く船は西海沿岸商船(TEL: 0959-22-0649=大瀬戸営業所、TEL: 0956-24-1004=佐世保本社)になります。昨年の終わりに、フェリーのりばが新設されて、それまでより少し北側へ移動しています(西海警察署の真西あたり)。
西海沿岸商船フェリーは1日6往復で、瀬戸(大瀬戸)→池島は6:10、7:17、10:15、12:44、16:27、18:08発、池島→瀬戸(大瀬戸)は6:44、7:50、10:48、14:17、17:00、18:40発です。
西海沿岸商船の高速船も出ていますが、これはちょっとイレギュラーで、瀬戸(大瀬戸)から池島へ向かう片道のみ1便=15:34発です。詳しくは次の「佐世保~池島」の項で述べます。
料金は、西海沿岸商船フェリーが大人430円・子供220円、同高速船は大人580円・子供370円です。フェリーに車を乗せた場合は、車の大きさで料金が変わるので、西海沿岸商船に問い合わせが必要です。なお、車での乗船時には車検証が必要ですので、あらかじめ準備しておきましょう。
佐世保~池島
西海沿岸商船の高速船は、1日2往復ですが、佐世保と池島を結んでいます。佐世保~池島の料金は大人1,860円・子供930円、車は乗れません。ダイヤはこんな感じで、いくつかの港をめぐって池島に着きます。
- 佐世保港新港7:22→肥前大島港7:51→松島(釜の浦)8:09→池島港8:20
- 池島港8:35→松島(釜の浦)8:47→肥前大島港9:08→佐世保港新港9:31
- 佐世保港新港14:40→肥前大島港15:06→松島(釜の浦)15:26→瀬戸港15:34→池島港15:47(→神浦港15:57)
- (池島港15:47→)神ノ浦港15:58→池島港16:09→松島(釜の浦)16:21→肥前大島港16:38(肥前大島港16:40→佐世保港新港17:03)
ドック入りについて
旅客船は、法令で年1回定期点検のためにドック入りが義務づけられています。このため、ドック入り期間中(だいたい10日~2週間くらい)は欠航したり代船運航になったりと、ダイヤが大幅に変わるのが普通です。ですので、池島に渡るときは、あらかじめ船会社に必ず電話でダイヤを確かめるようにしないと、港で途方に暮れることになります(別に池島に限った話ではありませんが)。
こうやってみてくると、池島は長崎市ではありますが、どちらかといえば佐世保の方が近しい関係にあると言えますね。車で考えるとフェリーの出る瀬戸まではほぼ等距離、佐世保港とは高速船で2往復がほぼ直結されていることを考えると、そんな気がします。
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