
線維軟骨塞栓症(FCE)と ふみのこと (4)
|Posted:2014/05/15 01:01|Category : ふみ-FCE|
線維軟骨塞栓症(FCE)と ふみのこと (3) から続きます。
2014年5月7日(水)
- 夜中から早朝 何度か様子をチェックしたけれども、目立った変化は(よくも悪くも)なし。カリカリは口にせず、排尿・排便なし。
- 7:30 床に置いてある水皿に右足を引っかけてひっくり返してしまう。右足の太ももあたりに水がかかるが、それを舐めようとしない=おそらくその部分の感覚がない。
- 7:50 落下後初めて排尿。トイレにはよろよろとだが自力で入り、砂もちゃんとかける。とりあえず圧迫排尿の必要はなくなったようだ。
けいくんを保育園に送ったあと、そのままふみをたけがわ犬猫病院へ連れていく。
- 9:40 たけがわ犬猫病院を受診。狂犬病予防接種期間だが、連休明けの午前中早い時間だからか、先客は1組だけ。以下、診察結果。
- キャリーから出して全体のようすをチェック、右足麻痺を確認。
- 右足の指の間をつねって深部痛覚をチェック。反応は乏しいが、まったくゼロというわけでもない。10段階でいうと2ぐらいの感じ。
- 聴診では、心拍に特に異常は見られない(血栓症の場合は心筋症がその原因となっているので、その場合、心雑音が混じる)。
- 触診・聴診の範囲では、めだった損傷はわからず、血栓症の可能性も低い。おそらく、脊椎に起こった小さな破壊が原因で、なんらかの神経損傷が起こっていると思われる。
- 万一の内臓ダメージがないかをチェックするため、血液検査を行なう。脱水の影響が見られるほかは大きな異常はなし。
- 赤血球 1マイクロリットルあたり932.0×104(猫の参考正常値=750~1000、増加(↑)=脱水・多血症、減少(↓)=貧血)
- 白血球 1マイクロリットルあたり6000.0(5000~19500、(↑)各種炎症性疾患、(↓)汎白血球減少症)
- 血球容積比 46.0%(30~45、(↑)脱水・多血症、(↓)貧血)
- 血清蛋白 1デシリットルあたり8.4g(5.4~7.8、(↑)高蛋白血症・感染症・脱水・腫瘍・ショック、(↓)栄養不良・腎障害)
- 血色素 1デシリットルあたり16.2g(10~15、(↑)脱水・多血球血症、(↓)貧血)
- 血中尿素窒素(BUN) 1デシリットルあたり17.6mg(17.6~32.8、(↑)腎不全・心疾患・副腎皮質機能低下症・脱水・ショック・尿道閉塞・膀胱破裂・尿道裂傷、(↓)慢性肝疾患・飢餓)
- クレアチニン(Cre) 1デシリットルあたり0.9mg(0.8~1.8、(↑)糸球体濾過機能低下・尿毒症、(↓)-)
- 血糖値(GLU) 1デシリットルあたり196.0mg(71~148、(↑)糖尿病・ストレス・痙攣・震顫・摂食後、(↓)インスリン分泌膵腫瘍・飢餓・ショック・副腎皮質機能低下症・非膵腫瘍・下垂体機能低下症・激しい活動)
- カルシウム(Ca) 1デシリットルあたり11.9mg(8.8~11.9、(↑)リンパ肉腫・敗血症骨髄炎・骨腫瘍・上皮小体機能亢進症・ビタミンD過剰症・副腎皮質機能低下症・腎不全・高蛋白、(↓)低アルブミン血症・上皮小体機能低下症・甲状腺手術・壊死性膵炎・腎不全・産褥性テタニー・エチレングリコール中毒)
- 総コレステロール(TCHO) 1デシリットルあたり168.0mg(89~176、(↑)閉塞性胆管疾患・甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症・ネフローゼ症候群・原発性リポ蛋白異常症、(↓)肝疾患・糖尿病・食欲不振)
- 総蛋白(TP) 1デシリットルあたり8.4g(5.7~7.8、(↑)重度の脱水・リンパ肉腫・骨髄腫・感染症・慢性炎症・高ガンマグロブリン血症、(↓)糸球体疾患・肝疾患・飢餓・吸収不良)
- アルブミン(Alb) 1デシリットルあたり3.7g(2.3~3.5、(↑)脱水、(↓)栄養失調・飢餓・吸収不良性腸炎・慢性肝疾患・糸球体腎炎)
- GOT/AST 1リットルあたり22.0単位(18~51、(↑)肝細胞壊死・筋肉の壊死・溶血・脂肪血症、(↓)-)
- GPT/ALT 1リットルあたり38.0単位(22~84、(↑)肝細胞の障害または壊死、(↓)-)
- ALP(1歳齢以上) 1リットルあたり51.0単位(38~165、(↑)胆汁鬱滞性肝疾患・副腎皮質ホルモン性肝障害・骨の成長・若齢、(↓)-)
- 総ビリルビン(TBil) 1デシリットルあたり0.1mg(0.1~0.4、(↑)肝胆管疾患・溶血性疾患、(↓)-)
- CPK 1リットルあたり278.0単位(87~309、(↑)筋肉の外傷、壊死・筋肉内注射・筋炎・中枢神経系の損傷、(↓)-)
- ナトリウム(Na) 1リットルあたり153.0ミリ当量(147~156、(↑)脱水・尿崩症・糖尿病・医原性(ミネラルコルチコイド、浸透圧利尿薬、ナトリウム含有薬)、(↓)下痢・嘔吐・腎疾患・糖尿病・副腎皮質機能低下症)
- カリウム(K) 1リットルあたり3.5ミリ当量(3.4~4.6、(↑)腎不全・尿道閉塞・脱水・副腎皮質機能低下症・アシドーシス・溶血、(↓)急性アルカローシス・インスリン介在性のグルコースの細胞内取り込み・低体温・嘔吐・下痢・多尿)
- クロール(Cl) 1リットルあたり118.0ミリ当量(107~120、(↑)脱水・高塩素血漿性代謝性アシドーシス・医原性(塩化物含有化合物の投与)、(↓)嘔吐・副腎皮質機能低下症)
- 現時点で一番疑われる「脊髄損傷」への処置として、プレドニンの注射と1回分の飲み薬(5mm錠の1/2)を処方してもらう
- 時津のさわもと犬猫病院でのCT/MRI検査を予約してもらう(明日8日(木)の午前中)
- ということで、血栓症のおそれはほぼなくなり、脊髄損傷の応急処置(炎症を抑え、これ以上の神経細胞の損傷を防ぐ)としてのプレドニン投与を済ませ、明日のさわもと犬猫病院でのCT/MRIでふみの脊髄損傷の具合がどんなものかはっきりする、というところまで道筋が立ちました。
- カルテ登録料 540円
- 初診料 1,080円
- 一般血液検査料 1,080円
- 血清生化学検査料 540×12=6,480円
- 副腎皮質ホルモン剤注射料 1,188円
- 副腎皮質ホルモン剤内服薬 86円 しめて10,454円
- 11:40 食欲がないことを竹川先生にも心配されていましたが、帰宅後、SGJのタピオカツナ缶をお湯でのばしたものをあげると、ガツガツと食べました。さすが、ふみにとっての一番のごちそうなだけある(ふみとタピオカツナ缶については、こちら[1]やこちら[2]、こちら[3]をどうぞ)。
- 17:35 カリカリも少しだけ口にする
- 夕方~夜 8つ折りかけぶとんにもぐったり、猫ベッドでくつろいだりして、まったり過ごす。昨日はショックを受けていたようだが、だいぶ本来の性格を取り戻した感じ
- 21:10 排尿
- 21:45 SGJタピオカツナをガツガツ食べる。ヒラス少量。プレドニン2.5mg。
- 夜 おっさん座りをしてくつろいだり、積極的に甘えたりじゃれたりするようになる
(つづく)
一連の記事を読んで下さった方から、たくさんの励ましのことばをいただいています。心強いです。落下から1週間あまりが経ち、ふみの症状は落ち着いてきました。麻痺はまだ続いていますが、歩き回ったり、数十cmの段差をジャンプで飛び上がったり飛び降りたり、香箱を(どうにかこうにか)組んで座ったりはできるようになってきました。完全に麻痺が取れて元通りになるのか、ある程度残ってしまうのかはまだわかりませんが、徐々に日常生活に支障のないレベルまでは回復できそうな気配です。
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